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ツノやフリルで飾り立てた角竜や分厚い頭の堅頭類……、実にさまざまな姿かたちに進化した鳥盤類ですが、意外なことに、その先祖についてはあまり知られていません。
最近、南アフリカで見つかった原始的な鳥盤類の化石について調べられていますが、この恐竜は派手なディスプレイも無くて小型で地味な恐竜でした。
既に見つかっている鳥盤類によく似ており、三畳紀の鳥盤類の進化は限られており、ジュラ紀にはいってから多様化していったのです。
恥骨が前向き=竜盤類は誤り
恐竜は、骨盤にある恥骨の向きで竜盤類と鳥盤類に大別される、というのはよく知られています。
正確に言えば、これらは系統解析の"結果"であって、恥骨の向きで竜盤類か鳥盤類かが決められているわけではありません。
しかも、恥骨が前方向に伸びているという竜盤類の特徴は、先祖の主竜類で既に見られます。ですから、恥骨が前向き=竜盤類というのは誤りです。羽毛恐竜などは、竜盤類ながら恥骨は後方を向いています。
また、恥骨が後ろを向いている(恥骨後方伸張)は鳥盤類の特徴のひとつとされていますが、三畳紀後期の原始的な鳥盤類であるピサノサウルス(Pisanosaurus mertii)では、恥骨が見つかっていないため明確ではなく、ピサノサウルスより後になって後方を向くようになったとする考えもあります。
ゲナサウリア:筋肉質の頬が特徴
原始的な鳥盤類とされた化石は何点か見つかっていますが、後になって恐竜ではないとされるものも少なくはありません。例えば、レベットサウルス(Revueltosaurus callenderi)は、鳥盤類(恐竜)ではなくてワニの仲間(偽鰐類)とされています。
原始的な鳥盤類のピサノサウルス以外の鳥盤類は、全てゲナサウリア(Genasauria)というグループにまとめられています。
ゲナサウリアは、筋肉質の頬(ほほ)を持つのが特徴です。もつろん、頬が残っていたわけではなく、歯の列が内側深くにあるのです。植物を口に蓄えて噛んだのでしょう。
南アフリカで見つかった化石は、三畳紀の鳥盤類としては最も完全な標本とされています。ゲナサウリアに属さない原始的な鳥盤類で、2足歩行し、足が速かったようです。
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夜明けのランナー
化石は、1993年に南アフリカにある三畳紀後期(およそ2億1000万年前)の下部エリオット層で発見されました。最近になって分析され、論文に記載されています。
つけられた学名は、"小さな夜明けのランナー"を意味するEocursor parvus(エオカーソル・パルヴァス)です。カーソルは、パソコン画面を動き回る矢印のことですが、ランナーの意味だったのですね。
推定身長はキツネより少し大きい程度と小型で、足が長くて、捕食動物から逃げるため速く走れたとされています。木の葉型の歯で、植物を食べていたようです。
2足歩行
上のイラストが発見されている部分です。スケールは10センチです。下あごや骨盤、手足などの化石が見つかっています。
一般的な形態は、レソトサウルスに似ています。南アフリカの内にあるレソト王国の同じエリオット層で発見された原始的な鳥盤類です。
恥骨はきれいに後方を向き、坐骨と平行になっています。植物を消化する胃腸を確保するため、恥骨が邪魔になったのでしょう。また、鳥盤類の大きな特徴である前歯骨は見つかっていないようです。
図の赤い部分は、大たい骨にある出っ張りは第四転子で、ここに歩行する時に後足を後方に引っ張る筋肉が付きます。小さな二足歩行のランナーであったレソトサウルスでも目立ちます。
鳥盤類の系統
図は、論文で示されたエオカーソルなどを含む鳥盤類の系統関係を示しています。
ここでは、ヘテロドントサウルス類(Heterodontosauridae)を原始的なグループに位置づけ、レソトサウルスはゲナサウリアに属しています。エオカーソルは、ゲナサウリアの姉妹群です。
ゲナサウリアは、原始的な鳥盤類以外を総称したグループで、ジュラ紀初期に現れる装盾類(よろい竜など)と、ジュラ紀中期以降に現れるケラポッド類(角竜や鳥脚類など)に分岐し多様に進化していきます。
以前から、原始的な鳥盤類として、アルゼンチンで発見されたピサノサウルスやレソトサウルスが知られていましたが、新たにエオカーソルが加わりました。
これらの形態に大きな違いは無く、鳥盤類の三畳紀後期における放散は限定的で、よ� ��多様に進化するのは、ジュラ紀に入ってからだったのです。
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参考: | 1. A primitive ornithischian dinosaur from the Late Triassic of South Africa, and the early evolution and diversification of Ornithischia Richard J. Butler, Roger M. H. Smith and David B. Norman Proc. R. Soc. B, 1-6 published online, 2007 2. Early ornithischian dinosaurs: the Triassic record Randall B. Irmis et al. Historical Biology, 19(1): p.3-22, 2007 |
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