食品中のボロン含量データ発見　単位はｍｇ／ｋｇだって。
boron in food

　りんご１ｋｇあたり２ｍｇちょっとのボロンだ、お、ナッツ凄い、桁が違うぞ、しかしりんご１００ｇとナッツ１５ｇは満足感はいっしょぐらいかも。
　とりあえずまとめると、果物に多くて、穀類は微量で、動物性食品にはごく微量、ブロッコリーにも多いから、やっぱりキャベツは多いのか？
キャベツはボロン欠乏土壌に敏感だという話だから、やっぱり高いんだろうなぁ、平山あや。

　では、よそ様はボロンの経口摂取をどのように評価しているのでしょうか。
オーストラリア　体重７０ｋｇの人では１日許容摂取量を6.72ｍｇ／ｄａｙ　　（これはＡＤＩ）
ＥＵ（欧州食品安全機関）は　許容上限摂取量を１０ｍｇ／ｄａｙ　と設定。（これはＵＬ）
ドイツはサプリメントをいままで認めていなかったけど、ＥＵに基準に合わせるらしい。ＴＤＩは１０ｍｇ／ｄａｙ

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次は論文を調べてみましたよ
　まず、動物さん
・齧歯動物において、ホウ素欠乏が骨形成を抑制すること、ビタミンＤ欠乏の悪影響を低減させる効果があることが確かめられています。
・動物においては、マグネシウム、ビタミンＤ、エストロゲンとの相互作用により骨粗鬆症リスクの低減が起こる事が示唆されています。
　人間に対しては
・閉経後の女性に対し、マグネシウム欠乏状態においては、ホウ素３ｍｇ添加食の人は低ホウ素０．２５ｍｇ食の人に比べて、尿中カルシウム排泄量が抑制されました。（コレがある程度信憑性のある研究）対象は１５人のボランティア。
・エストロゲンやその他のステロイドホルモン合成にも関係していると示唆される。
・ホウ素は一日１ｍｇ以上摂取することが望ましい。
・普通の食事で（アメリカ）１ｍｇ未満、ベジタリアンで１．３ｍｇ程度の一日摂取量である。
・ホウ素欠乏症自体あまりきかれないし、その悪影響が世界のどこかで起こっているのかも不明。

　植物だけでなく、高等動物についてもホウ素は何かしらの役割を担っているようです。
　ＷＨＯの専門委員会でも、「人間にとってもホウ素はおそらく必須の微量元素」とされたようです。
　このボロンの研究はアメリカ農務省農業調査部、グランドフォークス人間栄養研究センターがリードしております。ヒットする論文にはシニアメンバーのＦH.Nielsenの名前がずらり。

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　ただ、どらねこが気になるところは、どれも特殊な条件下で示された効果だと言うところです。しかもサンプルの大きさはとても小さいのです。
・閉経後の女性を対象にしている
・マグネシウムが異常に欠乏した状態での、ホウ素欠乏食
・結果、病気を引き起こしたわけではない
・作用機序が明らかになっていない

　では、第一回目のまとめをもう一度ご覧頂きましょう。
・ボロンは1日3mg程度補いましょう
・骨を丈夫にして骨粗鬆症を防ぎます
・エストロゲンを活性化して、豊胸効果が期待できます
・必須微量元素です
・アメリカ農水省も認めている
・過剰摂取の問題があって、若い女性や子どもでは健康を害することも

ボロン３ｍｇ
　ボロン３ｍｇは閉経後女性に与えたボロンサプリメント３ｍｇ食が根拠だと考えると良さそうですね。しかし、効果が見られたのは極端にホウ素欠乏食を続けた後で、さらに低マグネシウム食を与えられたときでした。特殊な状況でないと効果が見られない微量元素、しかも普段の食事では欠乏することが考えられないものを補いましょうというのはなんだか変ですね。

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エストロゲンで豊胸効果
　調べましたが、豊胸効果を確認した論文は見あたりませんでした。骨粗鬆症に関わるエストロゲン活性化からの連想でしょうか？これも、閉経後女性を対象にした研究です。
　エストロゲン活性については、ホウ素を摂取することで活性化ではなく、活性化される事が示唆されただけです。但し書きに但し書きが書いてあるようなものです。そのわりにホウ素サプリメントはアメリカにおいても子どもや妊婦授乳婦は摂取しないでくださいとされるようなリスクのあるものなのです。妊娠の可能性のある方は十分に注意してもらいたいと思います。

必須微量元素です
　可能性が示唆されているが、まだまだ議論の最中だし、日本では議論の俎上にもあがっていません。

アメリカ農水省も認めている
　多分、農務省所管の研究センター名で論文がだされた事からでしょう。サプリメントで補いましょうなんて認めてはいないと思いますよ。
　多分、どこかの業者が宣伝文句に使っていたのをパクっただけなのでしょうが、もしかしたら意図的である可能性も否定できません。

過剰摂取の問題
　ガラス繊維を吸い込んでしまったり、ホウ酸入りの口紅、海水を淡水化している地域等々、ホウ素を過剰に摂取する可能性がある人はサプリメントを摂ると過剰摂取になる可能性がありそうですね。

　以上でホウ素のお勉強をおわります。
　サプリメントの広告では必須であるとか、胸を豊かにする、骨粗鬆症を予防するなんて、書かれていますが、鵜呑みにしてはいけません。よく見てください、『〜と言われている』と結んでありませんか？

　今後、ホウ素は日本の栄養学でも採りあげられるようになるかもしれません。どらねこはその時を楽しみに待っていることにします。
　ではでは・・・

参考文献・資料

Is boron nutritionally relevant?
Nielsen FH.
US Department of Agriculture, Agricultural Research Service, Grand Forks Human Nutrition Research Center, Grand Forks, ND 58202-9034, USA. forrest.nielse/p>

A histomorphometric study of alveolar bone modelling and remodelling in mice fed a boron-deficient diet.
Gorustovich AA, Steimetz T, Nielsen FH, Guglielmotti MB.
Research Laboratory, National Atomic Energy Commission (CNEA-Regional Noroeste), Salta, Argentina. agorustovic/p>

The alteration of magnesium, calcium and phosphorus metabolism by dietary magnesium deprivation in postmenopausal women is not affected by dietary boron deprivation.
Nielsen FH.
United States Department of Agriculture, Agricultural Research Service, Grand Forks Human Nutrition Research Center, Grand Forks, ND, 58202-9034, USA.

Boron supplementation of a semipurified diet for weanling pigs improves feed efficiency and bone strength characteristics and alters plasma lipid metabolites.
Armstrong TA, Spears JW, Crenshaw TD, Nielsen FH.
Department of Animal Science and Interdepartmental Nutrition Program, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695-7621, USA.

The justification for providing dietary guidance for the nutritional intake of boron.
Nielsen FH.
United States Department of Agriculture, Agricultural Research Service, Grand Forks Human Nutrition Research Center, ND 58202-9034, USA.

Effect of dietary boron on mineral, estrogen, and testosterone metabolism in postmenopausal women.
Nielsen FH, Hunt CD, Mullen LM, Hunt JR.
United States Department of Agriculture, Grand Forks Human Nutrition Research Center, North Dakota 58202.